桜の季節全国各地で多くの方が花見をしますが、古来、花見は桜に宿るサ神(サガミ)様にお礼する正式な神事として行われていました。(サ神信仰)
「サクラ(サ座=桜)」はサ神様が居座る所と言う意味があります。(座はクラとも読みます)
サ神様(山の神)は8世紀以降「イザナギ」や「イザナミ」の神々が登場する前から日本民族に崇拝されてきた神様であり、主に農耕民の中で信仰されてきたと考えられています。
このサ神様は、冬の時期は山にいて、万物の生命の再生を待ってると考えられており、春の訪れを待って里に降り立つと言われています。
そしてサ神様は、桜の木に宿り桜の花を咲かせることで農民に春を知らせます。
この「サ神様が居る状態」の美しい木を桜=サ座(サクラ)と名付け、農耕にたずさわる人が、新たな収穫(最も重要な生きる糧)の準備が始まる春の訪れに感謝の気持ちを捧げました。
「イザナギ」や「イザナミ」の誕生後、サ神様は「田の神」として定着し、現在でも田植えから始まる米作にまつわる神事にはお供えとして酒(サケ)と肴(サカナ)を供え、 田植えの季節を神様がおられる月として皐月(サツキ)、サ神様がおられる田にする儀式をサオリと呼ぶ、田植えでサ神様を田んぼにお迎えする女性を早乙女(サオトメ)と呼ぶなどさまざまなサ神様の名残りを見ることができます。 (Wikipediaに詳細)
春になると、まず桜のつぼみがふくらみサ神様が降りてこられたと知ることが出来ます。
この状態を「木(こ)の芽(め)がはる」と言います。
また、和歌では、「木の芽はる」が枕詞として春を表すことから、木の芽が張るようにお財布がお金で張る状態と「春」を掛け合わせた事が「春財布」の語源とも言われています。
和歌で、木の芽張るの「張る」と「春」を掛けて使用された例
霞立ち 木の芽もはるの 雪ふれば 花なきさとも 花ぞ散りける(古今和歌集:平安時代)
津の国の 難波の葦の 芽もはるに しげき我が恋 人知るらめや(古今和歌集:平安時代)
四方山に 木の芽張る 雨降りぬれば 父母とや 花の頼まむ(千載和歌集:平安時代)
春はサ神様が降りてこられるありがたい時期。この季節と「木の芽が張る」季節が重なることでさらに「春財布」が財布購入の好時期とされるゆえんになったと考えられます。
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